マニュアルとメソッド

この暑さで、わかったんだけど、汗ってはりつく。顔とかクビとかいう縦の平坦な面に、重力を無視して、層になって水面があるわけ。下に流れずに、クビとか頬とかあごの下とかにたまっているのが不思議。冷房をしない部屋で仕事をしている。

地震があったのでテレビをつけたら、今日の東京の気温は35度、熊谷は39度です・・・&高校野球・・・暑っ!生きているだけで消耗。

「ほら、ネックあたりだと堅い音がするじゃない?でも、ボディのこのあたりだと・・・ウッドっぽい甘い音。こういう甘い音が好きなんじゃない?」うーん、そう?ベン!ってかんじのロックな音よりも、ボオオオン〜みたいな弦の感じが確かに好きかも。それってなに?ベースの音占い?ベースのどのあたりの音が好きかで、あなたのタイプがわかります?

夜になると、ずっとボンボンとベースの音がしている。最近の彼はトレモロみたいな弾き方。トイレとオフロ以外では家にいるときはピンカラ兄弟みたいにベースを下げている。手はなにやらバッハっぽい動き。

「ねえ、肩にあてるパットを縫ってくれるっていうの、あれ、いつできる?」念願の甲子園に行く子に千人針を渡すんじゃないんだからさ・・・「パットがないと首がいたくなるんだよ、重いから擦れてちゃって、忘れないでよ。キルティングとかフェルトとかさ、そういうので、筒縫ってくれればいいんだから。」それはずっと下げてるからでしょ。

・・・おそろしくわかっていない。私は不器用で裁縫が苦手なのだ。彼の方がずっと手際よく完全にそういうことができる。複雑なオリガミとか、組み立て家具を狂いなく組み立てるとか、そういうのが得意なんだもの。私は緻密じゃない。感覚的なことは得意、テレビで見た料理をそれらしくつくるとか、マニュアルのない「あんな感じ」処理なら。だからそんな「筒」でも大体の大きさとかしか対応できなくて、多分彼が望んでいる「ぴっちりフィット」する肩パットあてなんてつくれない。

それとも、きっちりものをつくるということに開眼してみようかな。徹底してサイズを図り、一目一目丁寧に縫う。クラフトマンシップという意味では、そういうのは別の意味で好きだ。メソッドに従うというのはキライじゃないから。

マニュアルとメソッドは私の中では違うものだ。マニュアルは命令でメソッドはツールってかんじ。よほどのうぬぼれやだから、自分を消して仕事をするのが無理なわけ。

「ばーかばーか」とかっていうあざけりの幻聴が。
あー腹たつ、あー暑い!