2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

嘘をつくと右肩が疼く

大嘘をついた。やむを得ず、でも相手がしつこかったので、嘘がくどくなった。ずっと右の肩の丸い骨の中を虫がうごめくような、軽く電気が走るような疼きにさいなまれる。学生の頃、顔を正視できないほど好きな人がいて、でもその場にいる人には悟られたくな…

ひみつの木魚ちゃん

オーバーワークな週を超えた月曜日、某事務所のボスにお目にかかる。大体制作の人間というものは「だらり」とした格好をしているか、ぎょっとするほど奇抜な服装をしているか、なわけだ。ボスはだらり道の教祖みたいなもんで、鉄壁にだらだらしたシャツをも…

母の目が醒める。

今日の朝から、母が突然目覚めて、会話が成立する。ほぼ一週間昏睡に近い状態だったのに、今朝から意味のあることを話し、反応する。ずっと耳は聞こえている、と医者は言っていた。そうだったのだろう。昨日の夕方からコドモが声をかけると目をあけたり、わ…

素人映画

母の命は、脳の奥に隔離されていて、でもそれがあるかぎり、彼女には命の尊厳がある。 反応がないので、意識の有無はわからない。どうすることもできず、日がな一日母のそばに座っている。あるいは仕方なく原稿を書いている。窓の外の大学の騒音、車の走行音…

身体というもの

母が危篤状態でもう二日目になる。 ただ呼吸をして、半分開いた目で、ときどきうなる。意識はあるみたいなんだけど、反応がない。医者は「聞こえています」というから、滅多な事は言えない。不自由な体の中で、意識ははっきりしていて周囲の人間のおろおろ加…

母とコドモ

母はとても「奥ゆかしい人」なので、友達に対しても一線を引いている。彼女が誰かを好きだとか、特別な好意を抱いているということは、とても私にはわからない。唯一、彼女のご機嫌をまったく恐れずに熱い友情全開でたずねてくるのは、親友の洋画家氏だけだ…

元祖女子アナ

新聞でみた表現。女子アナっていうものの「ブランディング」は、世間では認知されているのね。どういうことかな?と思うと、要するに才色兼備の生息地ってことなのか。 男性がいざ自分のDNAを託す相手を選ぶとき、手っ取り早いのがそれか。彼女たちは高給…

ここで怒るべき?

このところ、珍しく上手くいっている仕事。芽も根もたやさないように、水をやりすぎないように・・・かなり私にしては気をつけて扱っている。ボスは例によってまた年下。でも端々の発言がちょっと気になる。 昨日は、録音用台本のプレゼンで、キャラクターの…

画家の親友

彼女は電車に3時間も揺られて、大きなポットを担いできた。しかもピンポンダッシュじゃあるまいし、2日間かけて煮出した桑茶を玄関に置いて帰ろうとするのだ。病身の母のために煮出してくれて、わざわざ運んできたにもかかわらず。病人が疲れては本末転倒!…