世界一おいしそうなピラフ

給食のとき、Kちゃんは小食でかわいそうだった。

主食はほとんどパンで、6枚切の食パン2枚といういわば炭水化物の山を、小さな口で、キンギョ規模で食べるんだから・・・昼休みも、5時間目も1人で給食になってしまう。

ご飯のこともあった。ある日のメニューはピラフ。トナリで涙をぽろぽろ流しながら、ご飯の山に取り組んでいる。横からばくっと手伝ってあげようかと思うくらい、つらそうだった。ご飯を食べるのがあんなに痛々しいなんて・・・やがて優しい担任の先生がやってきて、スプーンをナイフのようにもつと、お皿のご飯を2つにわける。小さい方の山をさして
「これなら食べられる?」
首を振るKちゃん。その山をまた半分にして・・・そのまた半分・・・そのまた・・・
「これなら食べきれる?」コクンとうなづいたのは、ほんの一口くらいの量だった。

小さく区切られたピラフは、ちらっと横目でみると、特別に選ばれたようで、すごくおいしそうだった。今でも、あんなにおいしそうなピラフは見たことがないくらい。

それにしても6枚切2枚は小学生には多すぎると思わない?