そこで戻るか!

よく知っているのにどうしても名前も所属もわからないおばさんと、近所のスーパーで会う。いかにも親しげに「ここ2年くらいは病気の療養で大変だったのよお、髪の毛も抜けちゃってね、やっと再就職して働いてるの」親しい?らしいんだけど、誰?

夜道をスーパーの袋を提げて歩いている。もっぱら彼女の闘病生活のこと、二人の子どものことが話題。途中で保険の外交員をしているのだということになり、名刺をもらう。私も渡そうかと袋を探ったら、赤いお守りが取れて道路に落ちてしまった。そのとたん、おばさんは突然爆発して赤鬼になり、むくむくと天つく巨大サイズに膨張していく。となりのビルと互角くらいになったところで轟くような笑い声がして、ガンガンに割れた聞き取りにくい怒声で何か言っている「しくじったな!大ばか者、仕返しに虫くれに変えてやる!」とかなんとか。

さて、次の瞬間、私はフンころがしに変わっていた。フンころがしのなかでもとくに真面目なので、都会では珍しい犬の糞を発見すると、うろ覚えのファーブル昆虫記をなんとか思い出して、前足と頭で塊を削り取り、自分よりおおきな球に仕立てて後ろ足で転がす。おお!本当にその通り!大成功、こんな成功体験がかつてあったかというほどの大成功なのだった。気分よくフンを転がしていたら、どうやら一部始終を見ていた北の魔女が助けにきたらしい。

北の魔女は、通ると香水の残り香が延々と存在を誇示する「あらSさんがいたの?」で有名なマダムSで、華やかに笑いながら、私=虫にむかって、CDのマークがついた白い杖をひと振り、すると、どういう手違いなのか、サイズをそのままに人間に戻ってしまう。傍らには巨大な犬のフンが迫ってきて、虫の筋力バランスを失った人の私はフンの下敷きに。どうも効果がないので、彼女はもう一度杖をふるうが、今度は単にまた虫に戻る。もうどうなっているやら、でもフンを相手にするなら、虫の方がましだ。北の魔女は、人助けに飽きて、どこかへいなくなってしまうし、赤鬼も行方しれず。

このまま虫で終るのか・・・まあそれも気楽かもと仕事に精を出す・・・という夢を見た。そして翌日依頼のあった仕事がハンバーグ、ビミョウに予知夢。