シアワセソウナ

ブログの写真について聞かれた。

「誰が撮ったの?すごく幸福そうな顔ね。」

それは自分で撮りました。このアングルが一番「まとも」に映るんです。自作自演の幸福な私みたいな・・・暗示的ですわね。別の人には「デスマスク」とも言われたけど・・・メメントモリ・・・人生の目的は、幸福な最期。

このごろ、良い出会いをするたびに、自分の弔問客を増やしているような気がする。葬式で「あの人はなかなかいい人だった」と言ってもらえることが、究極の幸福なような気がする。死んでもすぐには意識が消えずに、でもよければ1週間くらいは魂魄になっても元の身体の近くにいたいもんだ。そして幸福な出会いについて、ちょっとだけ考えて消えたいと願う。

これまでに数回記憶を失ったことがある。そのときは自分の名前も所属も上も下もわからなくなって、駅のホームに転がっていた。30分くらい細いおぼろな紐みたいなものをたどって、自分がどこにいて、誰なのか思い出す作業をした。ようやく元の記憶にたどり着いたときには、どっと恐怖に襲われたのだけど、あれであのまま何も思い出せなかったら、あれは死に近かったんじゃないかと思う。記憶のない人間の、せつななかんじ・・・すごく怖かった。