スープの動線

はじめは机群の向こう側にいた。そこで熱いスープの入ったラーメンのカップをもって、喋りながら立ってそれを食べているんだなと、なんとなく見てはいなかったけれど、頭の中でマッピングしていた。

すると突然、放物線を描いて机群を迂回し、細く気流をおこしながら、それを持ったままかなりのスピードでとなりの人と私の間に椅子を滑らせて座る。となりのディスプレイを覗き込みながら、何か話している。かつ、その間ずっとラーメンを食べ続けている。動きながらカップラーメンを食べ続ける人と私の肩は、距離にして100ミリ。近い!その熱いスープの入った容器の平行移動が、何かの拍子に乱れたら!どきどきどきどき・・・。

卸したての白いレースのワンピースを着ていたから・・・。

私がニューカマーなだけで、この事務所では普通、ラーメンのスープは、こんな風に動線を描くものなのだろうか。