ママスイッチ

もう、思春期のコドモがいるというのに、人が赤ん坊を生んだというと、うらやましくてしょうがない・・・新生児を見ると、自動的に夢中になってしまう。コドモの頃から赤ちゃんが好きで、従姉妹たちが生まれるとすっ飛んで行って、長いこと眺めていたし、ちょっと大きくなっておばさんたちのOKが出ると、たびたび遊びにいっては、子守をしていた。すでに10歳で子守スキルは完璧、抱き方もおむつもミルクも着替えも、おっぱい含ませる以外のことは、できたりして。本番もあんまり苦労しなかった。

赤ん坊の匂いとか雰囲気に弱くて、ついうっとりしてしまう。

自分の赤ん坊ができたときの嬉しかったことといったら、今でもはっきり思い出すけれど、生まれてきた子の顔を見たときの喜びといったら、言葉にならない、心が光で一杯になるような幸福だった。

女としてのとりえは他にないけれど、ホルモンバランスと子宮の形が優秀で、母体として条件のいい体なんだって。典型的安産型。

生んですぐ、乳をふくませたら、きゅっと強く吸って、ああ生きてる、元気な子なんだって、また嬉しくてしょうがなかった。自分の体の中で、人間がひとり完成して出てきた不思議。自分にそういうことができたこと、なんだか人生で初めて小さな成功を手にしたかのような誇らしい気持ち。

コドモには言いたいことがたくさんあるだろうけれど、でもお母さん業は大好きだし、赤ちゃんの世話が好き。今日もつい知り合いの赤ちゃんに見とれていたら、道でクラクションを鳴らされた。

この次抱く赤ん坊は、もう孫なのかなあ。