複雑な機械

その複雑な機械はいくつもの部品でできている、けれど、いくつかが動いていないように見える。でもそれにはそれぞれに妥当な理由があるのだろう・・・別に誰かが残忍な悪意で邪魔をしているわけではないのだ。そして動いていないのは見えるから、そう指摘するのは簡単だ。でも動いていないから、どうなるのかもわからないし、もしそれが完璧な整備で動いたとして、どう動いて何をするための機械なのか、私にはわからない。

でもとりあえずメンテナンスをして、ひとつひとつを動かしてみることはできる。手持ちのモノを利用してとにかく何か組み立ててみる。レヴィ・ストロースが言うところのブリコラージュというやつか。創造のスタートがそういうことなら、その道が新しい価値あるものへの、ひとつの手堅い選択なんだろう。そうだといい。

私は昨日そういう状況について人と話していた。
カフカの小説にでも放り込まれたみたいよね、不条理で、理解できない。何のために行動Aをおこし、結果Bを迎えたのか?秘密は重要人物Xが握っているようでもあり、本当はそんなのさえポーズで何にもないのかもしれないよね。さらにそのX氏だって、本当は偽者なのかも?」

だからその複雑な機械を、ピンクに塗ろうとしたり、見当違いなリボンを結ぼうとしたり、花を飾ったりする私の行動はかなり滑稽なのだ。