センシティブ

代々木公園の交差点で信号を待っていた。

横断歩道にバッタのような物体が飛んでいる。そこにバスが続けて2台きて、大きなタイヤを軋ませる。
「ああ!なんてこと!」バッタは無事だったのか?間髪をいれずにバイクが一台走り去る。
奇跡のようにバッタは、白いラインの上をぴょんと飛んだ。ご丁寧に3回も車に轢かれたというのにまだ生きていたんだろうか?
じっと見ていると、でもやはりぐったりして、一部緑の部品がちぎれている。

心痛をかかえて、横断歩道を渡る。でも臨終に立ち会ってしまった責任だ、バッタを見なくては・・・と思いそのあたりを
さがすと。それはちぎれたニレの葉だった。「よかった、葉っぱだった。」と思った自分を振り返る。

植物ならいいのか?でもここでそういうことに踏みとどまらないと、超ストイックな世界に向かってしまう。