フェロモンモン

雑誌にホルモンヌというのがあって、どうして熟年女性の美容ってこうエグくなってしまうのかって。大金をかけて時間を巻き戻すっていうのは、世の常かもだけど。で、その中にホルモンヌになるためには男の匂いをかげ、というのがあった。これ案外カンタンじゃない?お金がかからないじゃない?50センチ近寄ればたいていの人間は臭うから。もし、近くでクンクンしている人がいても、世の男性諸君はぜひ寛容に。

でも「脇」とかかがないとだめ、みたいなことが書いてあって、それは難易度が高い。ある日、相談してみる。
「ね、お願いがあるんですけれど?」「なんですか?」「あなたは寛大だから聞いてくださるかと思って・・・。」「僕にできることなら。」「あの、脇をかいでもいいでしょうか?ほんと、一瞬嗅ぐだけなので。」「それ、リサーチかなんかですか?取材とか?」
「ええ、まあ。」長い沈黙。

微妙な人間関係を破壊しかねない衝動。

私の場合、匂いか声が引き金になってしまうけれど、両方だった人は一人だけ。それまでの人生の良かったこと嬉しかったこと好きなものを全部合わせて100倍にしたくらい本能にグサッとささる衝撃で「すごくすき!死んでも確保!」と思ったな、それは。理性がなかったら、頭から食いついてたかもしれない。ガルルルも人喰も、とりあえず回避したけど。