未熟なナマケモノは速く動く

・・・という逸話が大好きだ。

ブルース・チャトウィンの紀行小説「パタゴニア」にも、絶滅した巨大ナマケモノ、ミロドンのことが出てくる。絶滅しないで生き残っているのが不思議な連中だと思う。

幼体は、せかせかと落ち着かず、じっとしていられないらしいが、大人になると動かなくなるそうだ。ひたすら基礎代謝を低レベルに保って、敵にも見つからないで、そうやって動かないたちの個体だけがジャングルで生き残っていっている?ちゅうことか?

その彼らも、一度何かの事情で地面に降りると、高速で移動するらしい。次の木が見つかれば、また動かなくなるとか。そういえば、去年、上野動物園ナマケモノがあまりにも脱走を重ねるので、いっそ隣の木に移れるような放し飼いにしたという記事があった。地面に降りて逃げたりしないので、木のない場所にはいかないそうだ。でも、木を伝って、気づいたら、芸大のラウンジの前にぶら下がっていたなんてことはないわけ?

上野動物園には、ついしょっちゅう出かけてしまう。連日通ったり、朝一番で行ったりすると面白い。動物の見方を子どもに教わった。同じ動物をずっと見ていると、「トラ」が「トラ君」になってきて、個体を区別できるようになる。人と同じで、出会った瞬間でもあり、長い付き合いでもあり、個性っていうものはわかり方がいろいろならしい。

ほかにはツチブタとハイイロハシビロコウセンザンコウも見逃せない。一見して分類不能な連中だ。古代生物から抜け出すチャンスを逃したのか、不器用に古臭い、奇妙なかっこうをしていて、生まれ故郷を離れて、こんな極東アジアのそれ風の境遇にいる彼らと向き合っていることの複雑さと不自然さ。理解不能だ。どうにも慣れない。そういう頭に合わないヘルメットを無理やりかぶらされるような、あの感じを味わいに出かけるわけだ。

冒険家になりたかった。そしてジャングルとか、ユーラシアの山の中で、誰も遭遇したことのない、取り残された妙な形の動物が、不恰好な頭をふって、こちらをむき、偶然目をあわせてうなずきあうような瞬間を経験したいものだ。

でも、実際は、精進のたりないナマケモノ同様、お金がなかったり、人目が気になったり、言い訳をしてまわったり、小銭を稼いだりして、あたふたせかせかと、その日を暮らしているにすぎない。つまんないなあ、そんなニンゲンたちが発狂しないように、上野には奇妙な連中が閉じ込められているのかもしれない。

今日の新聞に「解剖男」のことが載っていた。動物園で死んだ象から骨標本をとるために、ひろい畑を借りて、何十年も埋めておくとかっていう話・・・どこかは明らかにしていなかった、どこか関東近辺の畑に、今も象が丸々一頭埋まっている・・・。骨化を進めるためには微生物が豊富でないと、象でさらにスタミナのついた土地だけに、作物が収穫されているんだろうか?ホウレンソウとか、ダイコンとか・・・。出荷するハコには、さりげなく象のマークとかね。

本日の夕飯
餃子がいい!といわれたけど、今日は餅は無理。腰を入れてこねるなんて不可能。売っている皮で焼き餃子にすることに。もちろん座り作業です。もうあかんです。
◆餡(ブタのひき肉300 しょうが 大根おろし10cmくらい しいたけ2枚 こしょう、タイしょうゆ、ごま油 大場を10枚)を皮で包んで、焼く。ものすごく餡があまるので、片栗粉を足した団子を素揚げにしたのを、甘酢で煮て、明日のお昼に。
& 雑穀ご飯 わかめとホウレンソウの中華スープ