葛城

「葛城」という謡が好きだ。曲に抑揚が多くて、謡っても、くるくるまわる仕舞も、メリハリがあって面白いということもあるが、歌詞にも心を惹かれる。

そのあたりは曖昧なのだが「空中に橋をかけろ」と役の行者に命令されたが果せず、一言主尊は、岩戸に封じられてしまった。そのわけというのが「夜しか働かなかったから作業が遅れた」というのだから、わけがわからない。
尊は葛城という絶世の美女に化身しているんだけど、その美女は雪の夜に美しい「岩戸の舞」を踊る。「だってあたしはブスだから、明るいときは外にでないことにしてんのよ」という内容の踊りね。なんの話?鏡はないの?ないんだろうなあ、古代だから。ゆがんだ「銅鏡」くらいしかね・・・どうせあたしはブスって思い込んでいる。なあんか、ぐずぐずした神様なのだ。ブスだと思い込んだ美女は、何から身を守っているんだるか?神話だけに、なにか裏がありそうだけど・・・役の行者って危険な男なのかも?

ブスってこの春のメディアトレンド?

たまたま高天原に行ったがために、そういううだうだした話に付き合って祈祷なんかしてあげるはめになる山伏も、なんかお人よしっぽくて、のどかなかんじ。オンナの出口のない話に延々とつきあってくれるなんて、のんびりした優しさって、なんか古代よね〜。

人間のくせに、神様に命令する尊大な役の行者、私の中の配役はオダジョー。


古事記は面白いね。