カプチーノのトールサイズを無脂肪のダブルショットで

古書街のスタ●に、キャメルのウールのコートをインヴァネスのように羽織った男が入ってくる。そして低い気取った声で
カプチーノのトールサイズを無脂肪ミルクのダブルショットで」
気温摂氏10度、袖を通さずに羽織るのは、あれはカルク春の主張?こちらを向いたら、ベージュの春物のスーツにピンクのネクタイを着けていて、『シリアルママ』が見たら、銃殺しそうな季節感。

待ち合わせに遅れてきた男は、貧乏ゆすりをしながら、連れの女のコーヒーを断りもせずにがぶのみしている。「アイスコーヒーは濃い目にいれて、氷の中に注ぐから冷たくなるんだ、初めから冷やしたコーヒーなんて興ざめだね。」「へえ、すごいね」会話にならない。

次の人はアイスコーヒーを8つ、ショートサイズで「店内でお召し上がりですか?」と聞く店員もすごい。「う、テイクアウトで」普通そうだろう。

人はいつも、スタ●で、ちょっとした挑戦を強いられる。