濁ったシトリン

5年前泥棒に入られてから、なんとはなしに忌まわしいものになってしまった感のあるジュエリーボックス。泥棒にオルゴールも壊されてしまった。でも他にそういうものがないので、まだ痛ましいながらも現役。

高価なものを持っていたわけではなかった。でも、冠婚葬祭用の真珠と、骨董屋で見つけたシャネルのガーディニア、いくつかの小宝石類、外していたエンゲージリングと結婚指輪。ささやかだけど、思い出があって大切にしていたのに。無数の靴跡と、めちゃくちゃに放り出された引き出しの山の残像がいまだにトラウマ。

それ以来放っておいたけれど、今朝思いなおして整理してみた。長らく開けなかった巾着に、忘れていた昔のものが入っていた。シトリンがついているチェーンで、クリスマスカードと、学生服のボタンが同じ袋に入っていた。なんだっけ?いつかのクリスマスに、ボーイフレンドがくれたんだと思う。首にまわしてみたら、ずいぶんきつい。これをもらったころは首がもっと細かったんだなあと、感心してしまう。指輪も8だったんだから・・・信じられない。黄水晶は白く濁っている、麺棒でみがいてみた・・・長いこと忘れていたから、もう光ってくれないのかもしれない。

災難だったけど、指輪入れに宝が増えている。
広告の紙でつくった指輪。子どもが指輪がなくなってがっかりしている親のために、つくってくれたんだった。思い出って大事ね。