アイスを選ぶ

家から、子どもの足で小1時間歩くと、チェーンのアイスクリーム屋さんがある。

春の野花を数えながら、子どもと散歩はいいものだ。ほとけのざ、はこべら、よもぎ、たんぽぽ、あわだち草、つりがね草、露草、花ダイコン、カラスエンドウ・・・どんどん花が咲いて、道はにぎやかになってくる。木の実や葉っぱや、落ちた花を拾っては、立ち止まり、申し訳ないくらいぜいたくで楽しい散歩。葉桜はまだきれいだし、日当たりのいい立ち木には気の早い水木も咲いている。若葉もきれいだねえ。

アイスクリーム屋さんに到着したら、20種類以上ある中から、選ぶことになっている。もちろん1人一種類だけ。ひとつだけ選ぶというのが、子どもには大切。

上の子は、道々下の子を洗脳している。「緑がきれいだねえ、緑好き?」「うん」「緑の食べ物なあんだ?」「ホウレンソウ」「それから?」「抹茶アイスだ!」抹茶アイスは美味しいねえ、と言われると、下の子の心は抹茶に釘付けだ。上の子は抹茶アイスが大好きなんだけど、最近新しく出たチーズケーキが気になっている。両方というわけにはいかないことはわかっているので、頭を使うわけ。

案の定、下の子は「抹茶アイスがいい!」上の子は計画通りチーズケーキ味。そしてワンスクープを食べきれない下の子の、残ったアイスをちゃっかり食べる。これがうっかり気がかわって、ストロベリーなんていわれてしまったら台無しなんだから、兄弟ってスリル。

お天気のいい、お休みの午後のささやかなお楽しみ。

そんなにショップ展開をしていないはずなのに、どういうわけか浦和に住んでいたときも同じチェーン店が歩いて小1時間のところにあった。ご縁がある?ハー●ンダッツ。