狩はたのし

子どもが友人とザリガニ獲りに行ったらしい。すっかりザリガニ付いているので、前々から行ってみたかった「ハケ」を見にいきがてら、野川に出かけた。

ハケというのは、崖にのぞいた断層地帯のことで、湧水地にもなっている小金井周辺の台地のこと。「武蔵野夫人」という物悲しい小説で有名になったのではないだろうか?これもそれなりに映画むきの不倫ネタではあるけれど、ずぶ濡れの雨も、湧水も、人情もなんとなくひんやりした趣の小説だった。大岡昇平だから・・・田中絹代かなんかで映画化している?

雨が少なかったのか、野川は干上がっていた。サンクチャリの中にある沼なら、イレグイに決まっているんだけど、物欲しげに存在はを確かめたものの、ボランティアの方が見張っていて手がだせない。子どもは、そこんところ大胆だ。
「おじさん、ザリガニの取れるところを知りませんか?」ボランティアの人に聞いちゃうんだもん。「そうだねえ、川が干上がっているから、下流にいけばいるかな?この沼はだめだよ、いるけど。」「やっぱり(するめをポケットに隠す)」

水のある下流までの道が長い・・・。
「おなかすいたよ、何か食べたいなあ」「うん、草か、人間か、そこの犬くらいしか食べられそうなものはないねえ、ザリガニもおたまじゃくしも取れないし、どれにする?」兄弟の怖い会話。

ようやく水のあるところへ。よその子どもがたくさん、じゃぶじゃぶ川に入って、タモ網で猟場を荒らしている・・・だめだなあ、えびはそんなんじゃ獲れないんだなあ・・・だってね、穴に潜んでいて、えさがくると出てくるもんでしょ?おびき出さなきゃだめでしょ・・・実はこう見えても私は「ザリガニの心がわかる」と近所でならした名人なのだよ・・・川をじっと見ていると、だんだん「私ならここに隠れる」というポイントが怖いくらい見えてくる・・・そしてたちまち2匹ゲット。ふっふっふ・・・狩人の本能に目覚めてしまった上に心の狭い気の短い私は、子どもの不手際にイライラしながら、ガミガミと口を出す嫌なザリガニ奉行に。われながら、うるさいことこの上ない。

むろん、キャッチ&リリースが基本です。ジストマ菌が怖いもんね。でも清水で3日くらい飼って、泥出しして食べる人もいるらしい。

今日は、三四郎池にでも、行ってみようかな?よどみ具合が、ザリガニ向きだけど・・・東大関係の妙な生き物がいたりして?逃げ出したバイオのなんかとか?ネッシーみたいな?ぞぞぞぞ。