ありがとう、はすなわちサヨナラ

「スキデス」と告白して「ありがとう」といわれたらほぼ100%見込みがないものだ。フィクションならそうだし、ノンフィクションでも、状況は好転しない・・・経験から言って。

だからって、今日のtxxyardのスタッフのは、あんまりだ。開店の11時ちょっきりに通りかかったので、現場に行く前に資料を読んどこうと思って寄った。「お1人様ですか?」と聞く。この「様」がらしくない。「ひとりですか?」でいい。もっともてなしの心で迎えてほしいの・・・それなのに!居酒屋みたいなその杓子定規なセリフは、なに?

カレーが食べられたら、お昼を済ませようかなって気もあったんだけど・・・でも座るなり「お飲み物だけです」と冷たく言い放つ・・・いいんだけど、コーヒーで。そいでね、化粧室にも行っとこうと思って、資料と手帳を席に置いたまま、立ったら、速攻「ありがとうございました!」といわれてしまったので、小さな声で「あの、まだです」と言って、用を済ませて戻ると、いたたまれないので、そうそうに引き上げた。

洒落たくつろげるカフェで、本も置いてあって、お客を傷つけたりしない、やわらかくて繊細な感受性の総本山だと思っていた。だからギョウカイでも「新しいトレンド空間」として評価されていたんだろうし、そういう神経の行き届いた「ゆるやかな時間」を提供する場だと思っていたのに。きっと、私は店にふさわしくないおばさんだったから、はじき出されてしまったのかもしれない。あるいは、あとからきたいかにも若くて世慣れた男女の群れのような、「強いサバケタ人」しかいてはいけないのかも。

コーヒーだって、もうイタリア式は飲みたくない。サイフォンで、あるいはネルで淹れてほしい。