予兆

お堀にいた水鳥が、いやに沈んでいる。水鳥っていうのは、水に浮いているとき、本体も見えるものだが、その鳥はほぼ首だけだして、体は水面下にあるじゃないか。ずっと見ていると、その群れは、どんどんさかさまになってもぐりはじめた・・・う?こんな都心のお堀に鵜なのか?

さかさまになって水面下に消えては、見当違いのところから出現するその鳥の群れの横を、赤い頭をした亀が泳ぎ去る。

そしてばらばらの堀にいたはずの白鳥が、ツガイになっている。

さらに、目の前で、すずめが蝶をつかまえて、胴体だけ食べてしまった。すずめはつまらなそうに、翅を放り出して飛び去る。

これは、何の予兆なのか?

なんとなく、空の色もおかしい。急いで子どもたちの安否を確かめてみたりして、別になにもなかったから、偶然の遭遇なんだろう。

いやあ、なんか怖かった。