雨にぬれる

子どものころから多少の雨では傘をささない。雨に濡れるのが好きだ。

でも最近の雨は、気のせいかべたべたと湿気の多い雨(当たり前か)で、濡れるのがキモチ悪くなってきている気がする。

靴、あるいは傘というのは、人品を知るのに大事なアイテムじゃないだろうか。雨の日、私はやってきた人の傘をみて、どういう人か初めてわかったと思ったことがある。後で親しくなる人と出会うのも、雨。

男友達と歩いていて、急な雨が降りはじめる。彼は、かばんから几帳面にエッジを立ててたたんだ3段の折りたたみをすっと出して、パッとさして、ほらと私にさしかけてくれた。ふんわりと「タバコ」の匂いがする傘に入って、立ち止まった一瞬で、その人を好きになってしまった。そういうソツのないことをされると、弱い。その彼はいつもアイロンのかかったハンカチをもっていたりする。手持ちぶさただと、そのへんの紙を複雑なジャバラに折っていたりする。なにげなく、手が動く、あのかんじ。

雨、関係ない?手先の器用な人が好き、っていう話?これ?