おじさんのジェラシー

地下鉄で耳に入ってきた、大人の男同士のひそやかな会話
「彼は好青年だって、俺は評価しているんですよ」
「ほお」
「仕事はできるし、営業力があるっていうのかな、度胸もあってね、今時珍しいと思うんですよね。それだけじゃなくて、銀座とか六本木のキャバクラも大好きっていうんだから、憎めないでしょ?」
「それはいいね。」
「それでいて紳士なんだよなあ、女の子がみんな彼んとこへ集まっちゃうんだよ。だから、小林課長なんかはあいつと行くとつまらんって行ってるんです。」
「そういうところで乱れないのはまた、いいねえ。」
「そうなんですよ、最近いない好青年なんですよ、ミバもいいしね、すらっと背が高くて、甘いマスクで・・・かないませんよ。」
「へえ、そういうライバルならやりがいがあるじゃないの。」
すごく地味なオジサンたちのライバルならしい「好青年」さんの噂。

男の人が男の人をべた褒めするのって、潔さを演出しているようでいて、相当どす黒いものを感じるなあ。そのオジサンの理想の男性について語っていたんじゃなければ、かなり、嫌いなんだろうなあ、その好青年。お心あたりの紳士でミバのいい度胸あるあなた、ご注意を。