コンフリ

夫は子どもの頃、家の裏山でコンフリを採って、テンプラにして食べた、うまかったと言ってる。コンフリっていうのは野草なのらしい。土手や道を歩くとき、ついつい厚手で柔らかそうな大きな葉の草を見かけると「コンフリかな?」と思う。私の想像では、なんか緑の大きな葉でケールみたいな雰囲気なんじゃないかと思うのだ。夫がなにやら勝ち誇ったように「コンフリのてんぷら」の話をさもうまそうにするので、私は食べてみたくて仕方がないのだが、どれがコンフリかを夫に聞くのは、なんとなく悔しいので、調べもしない。まったく「関心などない」ふりをしているのだが、道を歩くと、つい「コレがコンフリかもな〜」とさりげなく目がさがしてしまう。もう10年くらい、コンフリかもな〜が続いていて、いい加減野草図鑑くらい見てもいいころだとは、思っているのだが・・・。

いまさら、「赤い橋の下のぬるい水」を読んでいる。もっと男女関係ドロドロの話かと思ったら、違ったので驚いた。それで合っているかどうかはわからないけれど、滑稽で奇怪な話だった。巧みな舞台設定といい、小道具といい、落語みたい。もちろん熱に浮かされたような、真夏の白昼夢のような文章にぐるぐると幻惑されはするし、当事者は超深刻なんだけど、笑える。力なく「へへへ」と笑える。うら哀しく、間抜けで、今の気分にぴったりだ。へえ・・・偏見っていけないね。