今日は卵があるよ

「TOMMORROW"明日"」という映画

TOMORROW 明日 [DVD]

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で、たしか戦時中で、卵をようやく調達して、お勝手で「今日は卵があるよ」と嬉しそうに報告するシーンがあった。妊娠している娘のために枕を開けて小豆を出して、隠してあった砂糖で甘く炊いてたべるという場面も。

翌日に原爆が落ちるという暗澹たる未来を抱えた物語。家庭の主婦の細やかな日常のスキルを映すことで「今はまだ彼らは生きている」ということのかけがえのなさを浮き彫りにする。真っ白なハンカチの小さなイニシャルの手刺繍のように忘れがたい映画だった。

足りないということの充足感って美しいなあ。

私たちや子どもたちは、お腹がすいたり、何かが足りなかったりした経験が少ない。だから幸福を味わうチャンスも少ない。

さて、それでも貧乏な台所。今日のたんぱく質はどうしようかな、と考えていたら、ふと思った。卵はない、でも冷凍庫にセイキョウの地鶏がある。