分母を求めよ

ランニングタイムが10分の映画があります。この映画の分母を求めなさい。

そいで、分母がわかった瞬間に、この問題は終るってわけだ。その瞬間に「今だったのか!」「こんな終り方か!」とせめて認識する時間があるのだろうか。だからってゆっくり部分的に終わっていくよりは、突然、話の途中でブチっと終りたいものだ。

学生時代の仲良しは、セブンスターを吸う姿がかっこよかった。箱からとんと一本だけ出す手つきも、そこへバーとかの平べったいマッチをケースから切り取らずに、指ではじいて手品みたいに火をつけて、消すのも。その人の吸殻はいつもフィルターが丸いままで、「どうして?」と聞いたら、「だって吸い終わって、フィルターを見るとさ、その日の運勢とかわかるだろ?冗談だよ!」まあね、でも確かにニコチンのしみが「鳥」とか「ウサギ」とかに見えたりする。いつも無愛想で無口なくせに、よくドーナツみたいな煙を連続で出したり、その煙の輪に別の輪を交差させたり、くぐらせたりして無言で遊んでくれた、見かけよりもカワイイ人だったなあ。

別の友達はスゴク辛そうな顔で洋モクを吸う人だった。吸殻を見るといつもフィルターを噛んでいて、ニコチン占いができないじゃん。彼は愛想がよくて、面倒見のいい人で、きっと「いい人」やってんのが、相当なストレスなのかもしんないな、と思って私的にはブチキレ注意だった。タバコを吸う人を観察するクセがついている。

時代と逆行するけど、人がタバコを吸う姿って好き。リラックスしている姿ってなんかいい。運転と一緒で、本性が覗くと思うなあ。

自分は学生時代、一応吸っていたけどキンギョ専門で、うっかり煙を胸まで吸い込むと翌日は気管支炎で発熱、無理だった。キャメルライトを吸っていました。あれはお醤油の味がする。

タバコは明らかに健康によくないけど、なんか好きだ。