口笛男

万葉集を探して本屋をウロウロしていたら、CDの視聴ブースがあった。そこを通りすぎる5秒くらいの間に、遭遇。神はなぜゆえにこんなに特異な人とばかり、私を引き合わせたがるのか・・・。

彼は40歳くらいの長身の男性で、色黒、黒っぽい柄物のシャツに、細身のブラックジーンズ、CDを試聴しているらしく、ヘッドセットをつけている。まあ、そこまでは平日の昼間にこんなとこで遊んでいる暇なオジサンなのだけど。口をチュウの形にして、すごく流暢な口笛を吹いている。CDを聴きながら?それはCDとセッションの世界に入っているのか、CDの曲があまりにも素晴らしいので、我々におすそ分けをしてくれているのか???目をつぶり、時には足早なオーディエンスに薄い微笑を投げかけながら・・・リズムに合わせてゆすり口笛を吹く・・・。

き曲目は、わからない。知らぬふりをして背中で聞いてみたけど、口笛って案外原曲がわかんないと、ピンときにくいんだよねえ。鼻歌と同じで。

なんか忘れたふりして、引き返してちゃんとCDが動いているかどうかチェックした。もし何も聞いていなくて、だったら、新手のパフォーマー?口笛師だったりしたらどうしようかと思って。


東京ミッドタウンとかできちゃったし、なんかどうも最近の都会の大人には冗談が通じないもんなあ。やりづらいよ。