新刊本に襲われる

煮詰まってしまったので、散歩に出かけた。

ふと、お堀を見ていたら、水際の石の上で亀が甲羅干しをしている。目が慣れてくると、騙し絵のように、石という石に亀がいる。しかもその石のカタチが変?幾何学的に複雑なのだ。なおも凝視していると、動いた!なんと、それは三段に重なって、しかも全部違う方向に頭を向けているスッポン!その上に普通の亀がチョンと載っていたのだった。マチガイなく立派なスッポンだ。売れば5万くらいにはなりそう。

なんでも夜陰にまぎれてお堀にいろんなものを捨てていく人がいるんだそうだ。亀もしかり、鰐亀騒動も耳に新しいし、鯉、ピラニア?なにやらそら恐ろしい生態系になっているんだろうお堀。時々電気ショックを水面にかけて、外来魚を取り除く作業をしているんだということ。問題はブラックバスだけではないのだ。

さて、どうも気がふさいでどうにもならないときは、古書街に行くしかない。さんざん古書屋を覗いて、最後に三省堂に寄る。弱っているので動体視力がなっていない。平日の昼間なので油断しているのか、そこここに積み上げられた新刊本のタワーは、不安定のきわみ、まさしくチンパンの積み木状態、不注意にして不用意な私は、通路を歩くたびに、新刊本タワーに襲われる。頭から降りかかってくる大量の本。

2階で2度、1階で2度、本の雨に襲われた。単行本は痛い。なお、落ち込むじゃないの。

知り合いの皆さん、三省堂の脳神経とか心理学の書棚で私を見かけたら、相当へこんでいるので、そっとして置いてください。