コドモに殴られる

私は愚鈍なほどに温厚で、普通カッ!となったりしないのだけど、それだけに自分でも驚くほど感情的になることがある。ヒステリーと言われてもしょうがないくらいに。

コドモの算数を見ていると、ちょっとした躓きに感情的になってしまい、暴言を吐いちゃうんだなあ・・・っていっても「バカ」とか言うんじゃなくて、「さあ、やって、ただ答えを書くだけよ。これだけ条件が揃えば、あとは答えを書くだけでしょ?書くべき数字はひとつだけなのに、なんでわざわざ違う数字を書くのか、お母さんにはまったくわからない」とか言ってしまうのよ。だんだんコドモの雲行きが怪しくなってきて、大体、大粒の涙を流して、にらみつけるわけだけど・・・6日の水曜日、夜は違った。追い詰められた幼獣は、すっくと立ち上がると、コブシを振り上げて殴りかかってきたんですわ。

その顔って、憤怒の表情、まさしく不動明王みたいに紅潮した怖い顔。追い詰められて力に訴えちゃうあたりが、すでに気の毒なかんじだけどさ。その振り上げた手をガッツリと打ち返し(母は力自慢)「何をする!親に手をあげるなんざ、百万年早いわ、愚か者!」とかまた怒鳴ってしまい、「お前が僕をあんまり侮辱するからだ!」「じゃかあしい、お前にお前呼ばわりされる覚えはない、そんなにいやならやめちまえ!」とかいう怒鳴りあいに・・・激情の大喧嘩になり・・・不覚のいたすところ。

その日は、国語も見なくちゃと思っていたのに、時間も気力もなくなり、だめでした。

夜遅く、帰宅した夫がコドモを見に行くと、喧嘩の原因になった問題をモクモクとやり直していて、「なんだできるじゃない」とか言っていたとか。


もちろん珍しく感情的になってしまった母は、数日ぐったりしてしまい。若者の力にはかなわないのだわね。

コドモも「あかあしゃん」とか言っていた赤ちゃん時代を思い出せなくなるくらい、鬼より雷より怖い母親に喰ってかかれるくらい、大きくなったのねえ。

あまりのことに、夫に「君は彼の算数を見ないことにしようね」と言い渡され、元々算数は夫が見ていたんだけど、手を出さないことになりました。でも国語は担当だわよ。

ああ、受験って大変!