半蔵ボケ

いよいよきたか・・・といっても、私は5歳の頃からよく学校へいくつもりで、学校の先の土手に上って「あれ?どこへいくんだっけ?」と考え込むような子だったので、ボケは年のせいばかりともいえないけれど・・・。

表参道から半蔵門に向かっていた。多分、ちゃんとはじめに来た地下鉄に乗れたと思う。それも実は確認できない。よく気づくとホームで30分くらい立っていて、前を乗る電車が行過ぎるのをぼんやり見送ることがある。私は全然信用できないの、その分野で。

そして今日は、醒めない悪夢のような目にあった。初めに気づいたときは九段下、あわてて向かいのホームに移動して、今度青山一丁目・・・また乗り換えて永田町まで必死で緊張している・・・3度目に成功した。服部半蔵に嫌われる理由でもあるのか?何がなんでも半蔵門で下ろしたくない当局の事情でもあったんかいな?寝ているわけでもないのに、ドア前に立っているのに、ふと降りそこないつづけるという事実が恐ろしい。はじめはNOVAのお詫び広告を読んでいたはずなんだけど、どうして乗り越したんだろうか?

今、どこにいて、なにをしているのか忘れる。自分の名前や立場が思い出せない、突然つり広告の文字が読めなくなる・・・小さい頃から何の苦痛もなくすーっと忘れてしまい、思い出せないかんじに陥る、これは脳か神経の病気なんだろうか?記憶喪失の恐怖は、だからなんとなくわかる。帰属を失っても、「私」という意識は存在している、確かに。これが永遠に続いたらどうなってしまうのか、私の場合は15分くらいで思い出せる・・・まだ。