K.健介

薄暗い試写室で隣の隣に座った人をずっと男性だと思っていた。仕事関係の女性をエスコートして席についたこともあるけれど、何よりも声だ。女性でも低音の人というのはいるけれど、それでも話し方は女性のニュアンスがある。カノジョは声のトーンも、朴訥とした口調もまるで男。「トイレは廊下の突き当り、始まる前に行ってくれば?」と・・・ぼそりというかんじ。必要なことを簡潔に、ぼそりという、女性はこうまでシンプルな物言いはしないよなあ。
逆の人は多い、つまり女性的なスタイルや口調の男性というのは。

でも小柄でカーリーのロングヘアでパタゴニアンなかんじのスカートの彼女は外見、完全な女性だった。暗闇で、しかし隣の話を伺っていると、男だろう・・・って思ってしまう。

たまたま人と話していて出てきた映画関係者のK.健介という人のこと、多分個人的に彼を知っている。顔や声まで思い出せるのに、どういう関係で知っているのかが思いだせない。

トンクスは、今度のハリポタ映画では、出てくるんじゃないだろうか。彼女は6巻の最後にさ、ルーピンと結ばれるんだけど。6巻の最初に彼女のピンチに出てくる守護霊がそれまでのものと違う霊にかわっていて四脚になったのは、なぜだろう?ってハリーが思うところがあって、てっきり「シリウス・ブラック」の彼女だったんじゃ?と思うんだよね。でもその霊は犬じゃなくて、狼だったのね。そうそうシリウスは黒い犬だったでしょ。関係ないけど、私のハンドルのyogodogも大学にいた野良犬の名前なの、漆黒で金色の目をした貧相な犬だった。

何が言いたいかっていうと、ルーピンは危険な狼男だから、若くて有能で美人のトンクスにはふさわしくないって、思いを拒んでいた。自分と恋愛なんてだめだって。でも彼女を強く思っていて、ピンチには魂がすっとんで助けにいくわけだ。体と意識は距離をとっていても、全霊で助けにいく、いってしまうんだろうなあ。片思いを拒まれても、あるいは告白できなくても、彼の魂がよりそっているかもしれない・・・でもトンクスはそれを知っていて、彼の思いに守られていたけれど、でも現実には交際を断られて、ピンクの髪がグレーになって、打ちひしがれてしまう。心身をぜんぶ欲しいと思うのって若い証拠よね、って同情でも、社交辞令でも優しさに感激してしまうおばさんは、トンクスがまぶしい。