トウキョウのクレージー袋小路

メガネがすぐ壊れるので保険に入っている。メガネドラッグにはコドモのメガネ保険があって、壊れると20%で新品と取り替えてくれるので、実に助かるわけだ。あまりにも何度も壊すので、あきれられている?んじゃないかと思う。

前からちょくちょくとコドモの担当になる青年A氏が、今日も担当。その人が知人にあまりにも似ているので、私はいつも顔を正視できない。一度でも見ると、似ているなあ、と凝視してしまいそう・・・無礼でしょ、そういうの。ちら見しては「似ている」と感心してるわけ。

大体が内気なので、仕事でもないかぎり(そうなると図々しい)人の顔などまともに見れないのよ、眩しくて。なんで他人の空似とはいえ、あんなに似ているんだろうか。

面影橋の対岸には、遊歩道があってそのつきあたりは明治通りに通じそうなかんじに延びている。ついでがあって何の気なしに、歩いて行ってみたら、そこは行き止まり、右は空き地で、左手は神田川だ。

川は暗渠からの岐路で、ごうごうと大きな音をたてている。マンションがたくさんあるけれど、住んでも慣れるまで流れの音がうるさそうだ。川というのは昼も夜もお休みがないから。

神田川の右手には、もうもうと熱気を放っている窓があり、排気で蒸し風呂のようになっている。クリーニング工場なんだろうか。気温30度を越す炎天、左手に鼻をつくドブ川が暴々と流れ、右手は工場の轟音と熱蒸気が行き溜まる。逃げ場のないそこに五分も立っていると、頭がおかしくなりそうだ。この世の地獄とはこういう場所を言うのだろうか。見えているのに、明治通りには出られない、都電の線路が邪魔をする。

早稲田からやってきたその都電は、三ノ輪へ行く。三ノ輪への道も、雑司が谷、大塚あたりでまた胸が痛む思い出がある。若い頃は、このあたりで過ごしたのであったなあ。西早稲田から池袋、大塚、荒川遊園・・・。