遊歩道、初秋。

職場まで歩いていく道すがら、遊歩道の入り口には、咲きかけた萩の植え込みの中に、女性のブロンズが立っている。

あきらかに太った、顔立ちもあまりきれいではない女性の像なのだ。ふくよかな腹部といい、脚もぼってりと重たく、全体が丸い雫のような造形をしていて、やぼったい。濡れ髪をよじってしぼるようなしぐさをしている。

まあ、この立ち位置は劣情を誘っては困るようなロケーションなわけだが・・・それにしても、どうしてこういうアートな像というのは、ナイスバディの美人じゃないんだろうか?こういう体の女性を裸のブロンズにすることに、作家にはどういう思いがあるんだろうか?お決まりの「女性らしいふくよかな豊かさを表現している」とか公には言いつつ、自分の愛した女性が、あまり美しくないことを、芸術の力で覆そうとしているんだろうか?何か、すごい理由をつけて?

その前に、コガネムシがさかさまになって、カラリと転がっている。頭上のセミにも、ツクツクボウシ率が上がってきて、複雑な音色を奏でている。カナカナも混ざっている。

秋の先駆けなのだ。