ガーリー川端

喜怒哀楽の激しい性格なので、心を沈静化するためにときどき「川端」を読む。なんでかしらないけど、ものすごく醒めた気持ちになれる本ばかり。今風に言うなら一ページめから「ドンビキ」なんだもの。古都 (新潮文庫)

まず扉に川端の顔写真、それにつづいて、ヒロインの心象がつらつらと・・・堂々たるもみじの大木に咲く可憐なスミレの描写・・・そのガーリーな言葉つきと、3秒前に見た川端の顔がちらちらと心の中でハタメクわけです。オオキモチワル!(宮崎吐夢風に)

ややファザコンでしとやかで、いかにも思いつめたような思春期の少女の心のうちを、本当の少女なんてホルモン最優先でぜんぜんそんなわけないのに・・・理想のそういう少女になりきって語り、書斎で嬉しがってもだえるかんじの川端センセイが・・・なんてすごい。すごい!

彼女をおもう、いかにもも青年にもなりきって・・・どうしてこんな世界で生きていたいんだろうか・・・美しい風景、美しい人間、人間というよりは人形遊びの世界。エロスというものは、ヰタセクスアリスの世界にある。

やれ桜だ京都だと、春の気配を背中にしょって、双子の美少女で遊ぶみたいな・・・。


ウキヨのいろいろなつらつらを忘れて、がーリー爺の妄想に付き合うって言うのは、最近の娯楽の中では、かなり効果あり。