脱獄

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ジミ・ヘンドリクスは早死にした。ﾎﾃﾙの部屋で薬で死んだ。頭の中には絶えることなく音楽が鳴り続けていたんだって。

出口のない話というのは、まったく意味がなくて、本当に口に出す価値がなくて、つまらないものだと思うのだろうけれど、それは違うと思う。ぐるぐる廻る話には、ちゃんと意義がある。子どものころから牢屋の話が好きで、脱獄映画とか、牢屋につながれた人が出てくる本ばかり読んでいた。誰かに拘束されていて、その拘束者の思惑をこえて、囲いを出てしまうこと。そういうウルトラＣは、多分ぐるぐる廻る話にもどこかに可能性があるんだと。自由になるためには、同じ壁や、同じ床を何百回も確認するしかない。