恋のシグナル

昼下がりの教室に差し込む、晩春の正午の光のせいだったのかもしれないけれど、初めて彼を見たとき、なんだかぼんやり光ってみえた。

それから何度会っても、なんとなく発光しているように彼だけがぼんやり明るくみえてしまう。屋外とか蛍光灯とか明るいところが好きだったから、本当にいつも明るいところにいる人だったのかもしれないけれど、彼はいつもぼんやりと光を発して見えていた。

光ってる・・・というだけで、トータルな特徴をちゃんと把握するのに時間がかかった。まとまった印象が頭の中に出来上がるのに。ただ、いつも会うと光ってみえる。うすぼんやりと。

シグナル?脳が勝手に恋をする。