明眸の人

顔を見るたびに、明眸というのは、この人のためにあるような言葉だなと思う。中国では目の美しさ=心の美しさという認識があるんだそう。

わずかにウェットな光を放つアーモンド形の目で、見つめられていると、だんだん申し訳ないみたいな気持ちになってしまう。黒豆みたいな小さな私の目では、がんばってもパワー不足で、見つめ返し足りないかんじがする。話をしていると、心の中からシナプスのような糸が伸びて、自然につながってしまうような、不思議な感覚。何か強い縁があるのか。運命なんて信じないけれど、そういうこともあるかもしれないと、このごろ思うこともある。

今日も、閉まるドアが完全に視界をさえぎる瞬間まで、ずっとその目が私を見ていた。