声楽レッスン

SALVE REGINA サルヴェ・レジーナ声楽の授業一回目。

まず「声を聞かせてくれる?」というので、文部省唱歌の「冬景色」を唄う。
「なるほど、わかりました。」って何が!

先生はニコニコしながら私にシューベルトの「野バラ」を選曲する。「ボーイソプラノみたいな声ね、ほら、変声期前の男子の硬くて高い声。」ああまたか、男の子の声。前にも言われたことがある。

それから30分、首を背骨の上に置く立ち方、足を開いて、マリーアントワネットのように超然と立ってみて!そして口をあける。口蓋を丸くあげるようにして、あごの関節を外すように、喉をひらいて、口の中に空間をつくり、舌の力をぬく。む・・難しい。フォーマットを維持するために、声が出せないくらい。自分の体を楽器みたいに調整する感覚が面白い。
音響を考えて立ったことなんてなかったもん。
「声楽はね練習しても結果がでないの、スキル系の音楽じゃないから。むしろイマジネーションがないとね。あなたの体を楽器にするの。できるかできないか、それは生まれつき!」

エール・ド・クールを唄いたいというと、先生がうなずく。「そうね、声質はぴったりだわね。わかるわかる。」17世紀、少年や少女が宮殿で歌うサロンミュージックの古典。メロディとリュート、リリックな歌詞。マカロンとレースとルサージュ。まさしくマリーアントワネットの世界「パンがなければお菓子を食べればいいのに!」

でもとりあえずは彼女の母国語で「野バラ。」歌うこと、やっぱり一番好き。

先生は思ったとおりの人で、明るくて的確で動的なかんじ。私と正反対。コドモのように言われたままに、褒められれば大喜びし、気持ちを開放されて、レッスン終了。