はちみつラテ

カフェラテにはちみつ。ディスペンサーで入れると、最初は細くて糸みたいで、いつまでたっても甘くならないかんじがする。そのまま待っていると、ある瞬間ドロリと流れがきて、今度はたくさん入ってしまう。一度「きた」流れはとどまらず、だからはちみつラテって、甘くないか劇甘かどちらかなのである。

初めてコーヒーにはちみつを入れたのは1997年で、スターバックスの一号店が松屋の裏にできたとき。濃いディープローストのミルクコーヒーにはちみつがおいしくてクセになった。コーヒーとは別の飲み物みたいだって思って。そしてその日、誰かと喧嘩をしたと思う。

ときどき私は感情をコントロールできなくなってしまうことがある。不合理な理屈をいいつのりはじめる。そうすると旧知の相手は「病気がはじまった」という顔で、帰ってしまうのだ。捨てられてしまうと私は、自分をどうすることもできず、フォームの底に沈んで喉が痛くなるほど甘くなったラテを飲んで呆然としていた。

普段は、自分が激しい気性だということを忘れているので、自分でも驚いているのだ。どこからそういう噴火がおこるのか、不合理なことを言う自分が信じられない。別の人が勝手に入り込んで怒ったり、叫んだりしているみたいなかんじさえある。だから遭遇した人も困るだろうけれど、自分でもどうしたらいいのかわからない。

ひょっとしたらある種のはちみつアレルギーで、激情スイッチが入るのかもしれない。
でも今日は大丈夫だった、穏やかに話をしただけ。