Gカップ風呂

数年前の夏、友達の家でフロに入った。彼女はそれからすぐ、行方知れずになった。

ブラ屋の陰謀か、大抵の女はCカップくらいはあることになっているので、大きなおっぱいといえばFとかくらいはなくちゃ。でもYちゃんのは控え目に言ってもGカップ。ご立派な持ち物。おっぱいも大きいが、一人暮らしなのに一軒家、家も風呂もでかい。

古い家なので、洗い場も桶も全部タイルで、木の蓋が端っこに積んである四角い風呂。木の蓋はちょっと端が黒くかびていて、1cm四方の細かいタイルは青緑。普通の水道の水を沸かしているんだろうけど、うっすらと緑のお湯に見えてしまう。サンポールのニオイがする。

風呂を使わせてもらうと、なんとなく家の人の匂いが体にしみこんでいくかんじがして、よその家の石鹸の匂いも、なんとなく違和感があって、あんまり好きじゃない。ご飯をご馳走になるより、お風呂をもらうほうが、なんとなく宿主に染まるかんじがするのは、考えすぎだろうか?彼女は、Gカップの胸をゆすって、断りもなくザブンと入ってくる。というか彼女の風呂だけど・・・でもオトナの女がふたりで風呂桶におさまるのは、かなりグロテスクじゃないかと思ったのだ。お湯が見えないような錯覚に襲われるほどのおっぱい風呂、なるべく身を丸めて、体に触れないようにしている。

「ホウレンソウをゆでてるのよ」風呂で?まさかね。「ホウレンソウと納豆を毎朝食べてるから。あたし大丈夫よ。」ゴトゴト音がして総武線の始発が発着する。通りがかりのネコが塀の上から風呂場を覗いていく。