バックシャン上等

前に目がついている動物としては、相手の美醜は瞬間、正面で判断するわけだ。でも立体としての人体には360度のディメンションがある。

前から見るとほんとに美しい人、なんにも怖いものなどなさそうで、人から愛され自信にあふれている。そこらで横に並んでみる。プロフィールというくらいで、その人の無意識の人間性がなんだかちょっと感じられる。思ったよりも愛嬌があるとか、逆ににこにこしているけれど、クールな面があるとか、案外自信がないんだなとか・・・。

耳が見えるしね、私は耳が気になる。あんなグロテスクな形のものが顔の側面についていることが信じがたい。意味がわからない。それだけに人の内情を表すためにあそこについているんじゃないかとさえ、思う。女性性器の形と同じくらい、多分機能的意味が希薄なデザインなんじゃないかしら。完璧な耳ってわりとレア。

そして後姿。去っていく相手をじっと見ていると、物語の結末を読むように、わかってしまうことがある。そうなのか、タイマン張ってればカッコイイけど、内面は案外投げやりで精気がないんだなとか。話は上手じゃないけど、中身があるんだなとか。なんとなくね。取り繕えないところで顕在化するもの、これはかなり本質的?

だからもし後姿も好きだと思うなら、その人が相当に好きってことなんだと思うんだな。そしてそういう出会いは完璧な耳よりもレアだったりする。

会ったことないけど、DDの塚地がすごく好きかもしれない。後ろ姿が温かいから。