ちからうどん

近ごろの私は甲斐性がない。ないけれど、夜明けからずっとモノを書いている。なにしろ物書きなので、それしかできることがない。

夜が明けてしばらくして、コドモたちがご飯を食べて一騒ぎして出かけてしまうと、また続きにかかる。途中でちょっと日が出てきたので洗濯をしたり、その辺を掃いたりして、一応の体裁を整えた。

11時ごろ、ぶるぶるっと寒気がする。まさか、今日は30度になろうという夏日なのに。突然、突風が吹いたり、大雨がふったり、雷がなったりするでしょう・・・という呪いのような文句を揚々と天気予報士も言っていた、激しい夏日なはずである。でも寒い!どうしたんだろう?

あ、そうかと思い、うどんをつくる。とろろで出汁をとって、昨日の残りのがんもをいれ、うどんとついでに冷凍庫で忘れていた餅も焼いて入れてみる。仕上げに柚子胡椒。えらく豪勢なちからうどんができた。それを食べているうちに、なんだか温かくなってきて、沈んだ気持ちも浮き上がる。汗さえにじんできた・・・・ああ、やっぱり、お腹がすいていたのか。ちからうどんとはよく言ったものだ。頭のぼんやりしたのも治ってきて、すっかり気分もよくなった。

このごろ、夕方にふと悲しくなるのは、はらぺこに気づかないだけだったりね。