心臓が恋をする

11月がもうすぐ。

思い出して見ると、少し肌寒くなってひじのあたりが冷たくなるこの季節に、恋におちる。実は医学的にも心臓が弱いのだけれど。すぐ胸がキュンとする人は狭心症の気があるそうだ。恋愛なんてまさに心の病。もしワクチンがあるなら、保険外治療だろうから、1万円くらいなら打ってもいいとさえ。

しかしハートがマークなくらいで・・・やはり恋は心臓でするものなんだろう。このやや病的な「胸キュン」のせいで、この季節に出会う人は、割り増しに過分なかんじで美しく見えたり、過剰な期待を抱いたりしてしまう・・・愚かしい。

ある学説によると、恋の寿命は平均15ヶ月だそうだ。
心臓の物忘れ。どんな彼でも出会って15ヶ月で過去の人!

ま、とりあえず、幸運なことに、もうずっとそういう趣味の悪い偶然に惑わされずにいる。だって誰が考えても、私はあまりにも恋に縁がない、冗談じゃない、本当にごめんこうむりたいのだ。アフロディーテを持ち出すまでもなく、人間の男にましてや万一片思いなんてことになれば、あまりの滑稽さに意地の悪いしのび笑いを禁じえない。恥じを知れ、ということだ。

すがすがしい秋の空気、余計な情熱に煩わされていない、ただ身体運営に徹しているだけのクールな心臓。わき目もふらず、本来の仕事に精をだす、そういうのが好きだ。思いは上野の森へ飛んでいく。
そうなのだ、今年の秋はなかなかに、すばらしいといえる。展覧会も目白押し。

ともあれ、ヴィルヘルム・ハンマースホイに行かなくては!
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