ルーだけください。

日曜日、地域の子ども向けイベントにボランティアで参加していた。

朝から小学校の家庭科室を借りて、200人にお汁粉と豚汁をふるまうことに。大量の野菜を刻んで、風呂のような鍋で煮込み、アンコの山を泥遊びよろしく崩してはゆるめ、崩してはゆるめ・・・ホットプレートで何時間も辛抱強く餅を焼き続ける・・・永遠に終らないかと思ったけど、終らぬ仕事はないのであった。

さて、イベント会場では、子どもや親が行列をつくって、我々ボランティアが作った汁物を何の疑いもなく食す。いいのかなあ、例のカレーもこんなんでふるまわれた経緯があったじゃないの?みんな疑うことを知らない人たちだ。どんどん並ぶ、そしてリピーターも多数。

その中に実に可憐な少女がいたんだけど、10歳くらいのその子はお行儀よく列にならび「すみません、おかわりいただけますか?」「はいどうぞ、たくさんありますから。」「ではルーだけください。」私が不遜にも例のカレーのことなど連想していたのが、いけなかったのだろうか???この上品なお嬢さんは「カレー」しか食べたことがないのかも・・・。豚汁のルー・・・おばさんなので思わず「はい、おつゆだけでいいんですね?」とわずかに険しい目をして、静かに応える。彼女は負けず「はい、ルーだけで。」強情な小娘だ。

そうかと思えばすんごい猛者も。子どもについてきたお父さんが「豚汁といえば、こんにゃくがつきものなのに、これには入っていませんねえ〜。」「まあ、そうですか、気づきませんでした。じゃ、この次は忘れないようにしますね。」まるで早咲きのタンポポのように柔らかい笑顔で応える。皮一枚下で「なんだと!お前のドタマでも突っ込んどけ!」とかオモワレテいるのも知らない、恐れを知らない男たちもいる。

夕方終了後、家についたら、へたり込んでしまった。思いのほか疲れるのよね、お母様たちとのそつのないなごやかな会話とかさ、出過ぎないけど落ち度のない働きとかさ・・・。あまりにも疲労困憊で、昨日の夜はとてもじゃないけど仕事できませんでした。

酒呑んで寝た。