私の抹消

ネット上の書き物を専門に仕事をしているので、取引先からの仕事依頼から納品、打ち合わせも取材もネット上で済んでしまうことがある。メールとチャットの数週間をすごしていると、ずっと書き物をしているのにも関わらず、発注元のお客様とじかには話さず、会わずにすべて完了ということも、ままある。

この仕事は全部架空?妄想だったらどうする?私はありもしない仕事をしているだけだったりして?とふと恐ろしくなるけれど、口座にはギャラが振り込まれているから、これは現実なのだ。どこかの物好きな金持ちが、哀れなライターにボランティアをしようとしているのでなければ、私は社会で(ネット社会で?)働いているようだ。

これはとても素晴らしいことでもある。内気で人付き合いが不得手。ようやく文を書くだけはなんとか・・・の私が世間から「糧」を得る方法としてはベストだ。誰にも怯えずに仕事が成立するならば、ありがたいことなのかも。

ペンネームを使いますか?先日の新しい取引先に聞かれた。

どうせ匿名性の強い仕事だけど、さらに架空の人間を捏造するならば、私の実在性はゼロに限りなく近づく。

それもいいかもな・・・いなかったことになるっていうのも。

今週は誰からも電話一本ない。

でも朝から原稿を3本納品した。不思議だよね。

私は実在するんだろうか?かなりあやしい。