BONES シーズン4のラスト(ネタばれ注意)

BONESはシーズン1の13話〜19話くらいが緊張感があっていいんじゃないかと思う。あとはだんだんマンネリ化してくるし、目新しさを追うあまりキャストの入れ替えが激しい2以降はなんか・・・そしてシーズン4のラスト、なんだかソープオペラじみてきた。

ブレナンは、ブースの子どもがほしいから「精子をちょうだい」と突然言い出す。突発的なのは女のサガかもしれないけど、マニッシュで頭脳明晰なブレナンにしては衝動的すぎ。社会的に成功している優秀で頭脳明晰な女性というものは、どうも考え方が鋭利で直線的な傾向があるなと、最近実生活で感じることが多いけれど・・・あまりにもエキセントリック。これも日頃思うに、男性は唐突な展開というのに眉をひそめる傾向がある。私が好きな道化、浮世離れが信条だけど、男女関係のスタンスだけは石器時代のジャックが目をむく展開。ブースはどうするでしょう?まあ彼ってブレナンの「お願い」を断ったことがないからな。

プロポーズなんていう面倒をすっ飛ばして「精子をちょうだい」=「あなたを人間として高く評価している」=「あなたの遺伝子を使えば私の子どもにプラス」=「社会的な父親になってとは言っていない」=「ほしいのはあなたじゃなくて、あなたの遺伝情報だけ」っていうのは、まあ要するに古式ゆかしい「フェミニズム」=単性生殖の夢なのかもな。

「誰の精子でも先着順でもらえるっていう社会通念ができたら、いいなと思わない?」「15歳になった男児は政府に精子を毎年提出するみたいなこと?税金みたいにか?」「もしほしい相手の精子番号を知る立場にあれば、個人の精子を先着順にもらえるし、そうでなければアイテム選択で好みの相手を選べるの。」「可能性としては、ひとつの町の子どもが全員キムタクの子孫とかそういうことがありうるわけだ。」「そうそう。そうすれば人生の満足度が高くなる。もし好きな相手が結婚してくれないとしても女性に救いが残るじゃない。扶養義務もなしならフェアだよ。」「女のエゴって怖え〜な。男の負担は少なくならねえよ。だって子どもが何千人といる奴とゼロの奴ができちゃうわけでしょ?精神的に厳しいね。」「セイウチのコロニーみたい?概念的には繁殖願望を満たすじゃない?男ってばらまきたいんでしょ?実際には行為なしだから実感ないだろうけど。」「納得できな〜い。」「でもさ、若い美女が『どうしてもあなたの子どもが欲しい』って熱心にお願いしてきたら、嬉しいでしょ?」「うーん・・・そういうアグレッシブなフェミニズムには落とし穴がある。人類を危険な方向へ引っ張るような気がする。日本人が長期間かけてようやく脱した母系社会の再編成だよ、そんなの。歴史的には後退なんじゃないの?」「そうかな?母系社会万歳!その方が面白いじゃない?儒教精神は退屈。」「ううう。」
唸る彼。

私の周りの、強くてやり手で元気でリッチな女性の中にはシングルマザーも少なくない。人間の強度って男女というより個体差?って思う。ひとりでやっていける強さって結局。いざ、ふたりの子を抱えて一人でやっていけ、と言われたら、どうだろう?それを最初から覚悟することって何?自由の問題なんだろうかなあ?ただ事実として、人間の幼生は育てるのが半端なく大変。手を抜くと命にかかわるので、カンタンではないし、育てる資質は明晰な頭脳だけでは不十分だと思う。子どもを守るパワーが発揮されるためには、母親が大人であることより、より女であることがかなり大事?かもしれない。と思うなあ。

ブースはブレナンが大事すぎて、女扱いできなくなってしまったのだろうか?もう尊き姫君でしかない?西洋的禁欲主義の悲劇?かも。でなきゃマゾ。