ついに運動に手を出す

ダイエットはいろいろやってみた。一番肥っていたときからしたら、12キロ痩せた。でもなんだか元気が出ないで、なんとなく憂鬱なので、ちょっと悩んでいた。痩せたけど幸福じゃない。

近所のおばちゃんにずっと男だと思われていた元気な子供だったときを思い出す。親の考えで近所の私立に通うようになって、野山やお堀で泥だらけで遊んだり、廃屋にしのびこんだりする生活から一転、殻に閉じこもる内気な子になってしまった。運動は苦手、親も友達もそう思っていただろうし、自分でも思い込んでいたけれど・・・ほんとうは違う。

ちょっと走ってみようか・・・と思い立ち、走り始めたら楽しくてしょうがない。体が熱くなり、汗をかき、スピードにのって走る。マラソンというより、体が走りたいように走って、やすんで、また走る。風をきって、トップスピードにのって。気持が軽くなって、そうか、こういう高揚感だ。40年ぶりくらいに幸福とは何かを思い出した。