無人島脱出!

「お前ら何年生だ!」大人の世界では歴史用語になりつつある「年功序列」が堂々公園の小学生の間では通用するらしい。

小学生に人気のロケット滑り台は3階層の最上階がツリーハウスのようなつくりになっていて、うちの子と友達2人は「無人島遭難ごっこ」で盛り上がっていたんだって。そうしたら浜辺に他校の上級生の男子の集団が現れて、島の明け渡しを要求したきたらしい。
「下級生なんだから、言う事をきけ!生意気だぞ!」男どもは口々に叫びながら、這い登ってきたみたいで。

「どうする?」「大きいお兄ちゃんがいるぞっていう?」「だめだよ、だって今いないんだから、いないお兄ちゃんは使えないよ!」「じゃあ蹴っ飛ばそうよ、お兄ちゃんと喧嘩するとき、いつも蹴るんだ!」「そうだそうだ、闘おう!」3人とも中高校生や社会人の年の離れた兄がいる3人組。「あのね、でもさ、喧嘩のときお兄ちゃんは手加減してくれるけど、あいつら本気でくるよ。」そう言っていう間に迫ってくる敵にやる気なふたりは「お前の母さんデベぞ!」「ばーか かーば、はげろ!」とかって叫びはじめてしまったんだって。うちの子どもはヘタレなので、「あ!3時だ!おかあさんがおやつにおいでって言ってた!行こう行こう!」ってみんなを引っ張って近所の我が家に。

「おかあさん、おやつ!とにかくおやつ!」おやつおやつ言いながらどやどややってきたので、何事かと思ったけれど、事情はそういうことだったらしい。かくしておいた美味しいカステラを全部やられてしまったのだった。

「だってあの人たち、考えなしなんだよ、あいつら5人だし、本気で怒らせたらボコられるでしょ?それなのに、帰り際に睨みつけたりするんだもん。もう、ひやひやだよ。」夕飯どき、本日の無人島脱出について楽しそうに語るうちの子、なんだかね〜。