ホンマタカシ

金沢でやっていたホンマタカシが巡回してきた。東京オペラシティのギャラリー。

雪ってほの青いものだって生で見ると思う。ホンマタカシが一時期撮っていたスイスの山の写真も、なんだか青い山だった。雪の中に赤い色の何かが落ちている作品。雪がほの青いから、その赤い物もちょっとムラサキがかって見える。雪をところどころ染める赤は、血のように演出されているけれど、本物の血が雪に散らばるとどんなふうにみえるのか、知らないから、これは殺人の後なのか、狩猟の痕跡なのか、と思えてしまう。作られた現実、写真という証拠が堂々と語るフィクション。案外本物なのかもしれないが、そんなの撮った人にしかわからない。

写真はいつでも撮影する人の中にしかない。

本当に雪の中の血液は、あんなに青っぽい赤なのか?