各種お届け

銀行で振り替えの手続きをしようと思って窓口にいった。

複雑な受付システム、受けるサービスごとに整理券の端末が違う。私は「各種お届け」のカテゴリーだったから9番のベンダーから679番の番号札を受け取り、18個も並ぶブースの真ん中あたりで待つように言われる。待つこと20分、もっとかもしれなかった。頭の上を乱数表のように数字が飛び交う。

「127番の番号札をお持ちのお客様6番の窓口におこしください。」
「301番の番号札をお持ちのお客様11番の窓口におこしください。」
「785番の番号札をお持ちのお客様17番の・・・」

まるで規則性のない無秩序な数字が組み合わされてアナウンスされ続ける。いちいちあの「ポーン」という空港の離着陸案内みたいなフォーンが響き、読書の邪魔をする。私は600番台のコールを待っているけれど、それだって「601番」の呼び出しさえあって、いったい670番台の私はいつ呼ばれるのか予測もできない、油断もできない。コールにこたえないと、すぐ次の番号が呼ばれてしまうのだから。ここに、あと15分もいたら発狂しちゃうかもしれない・・・と思われたころ、ようやく番が回ってくる。私は679番の札を握り締め、それを疑わしげな銀行員に示す。「でもね、ほら!私はここに来る権利があるのよ。」そして日付や生年月日や、細かい数字を書かされ、身分証明書までコピーされて、用件終了。

突然立ち上がった行員に「ありがとうございました。」と最敬礼されるけれど、SFめいたそうでなければサイケ小説みたいなあの数字の乱立ぶりをどうにかしてくれないと、恐ろしくて窓口にこれないじゃないかと、文句をいいたくなってしまう。